理学療法士 恩田誠(トレーナーチームEsperanza)の治療日記

整形外科勤務の理学療法士、恩田誠(トレーナーチームEsperanza)の日々の評価や治療を日記として書いていきます。あくまで個人的な見解や治療結果ですが、誰かしらのプラスになれれば!という思いで細々と書き続けていこうと思います。

五十肩って1年ぐらいで勝手に治るって本当?

理学療法士の恩田誠です。

 

タイトルに挙げた「五十肩って1年ぐらいすると自然に治るって本当?」………


f:id:onda-pt-nikki:20180907130650j:image

 

はい。………3割ぐらい本当で、7割ぐらいは嘘です。

 

 

まず、五十肩という言葉自体が広い意味で使われているので、医療関係者が認識している「いわゆる五十肩」という部分に関しては1年ぐらいで自然に治るということはほとんど無いと思います(^^;

 

いわゆる狭義の意味での五十肩は、関節を包んでいる関節包という膜が肥厚し、重度の可動域制限を伴います。

急性期の安静時痛・夜間時痛が消失した後の凍結期(拘縮期)という段階からは可動域を拡げるための治療を開始することをお勧めします。

※夜間時痛は拘縮期でも出るので、急性期や拘縮期などの病期の見極めは専門家にご相談ください_(._.)_

 

 

では、なぜ1年ぐらいで自然に治るという認識が広まったのか?

いろんな情報をネットで調べられる時代にもかかわらず、現在でもこの認識を持っている患者さんは少なくありません(^^;

 

 

これは、「腱板炎」という関節を安定させる役割をする筋群の炎症により、安静時痛・夜間時痛・可動域制限など、狭義の五十肩と類似した症状が出現する病態のせいだと思います。

 

この「腱板炎」は治療の有無に関わらず、腱板自体の炎症が治まると日常生活に支障をきたすことが無くなる…こともあるからです。

※遠回しに書きましたが、日常生活に支障がなくても可動域制限などは残ることもあります。(^^;

 

 

この「腱板炎」を経験したことがあるご近所さんの話を聞いて、半年~1年放置したけど治らなかった。と問診の時に話している患者さんをよく見かけます。

 

放置していたことで、可動域の改善に時間を要してしまうケースも多くありません(>_<)

 

前に行った勉強会で、肩関節は他の関節に比べて、痛みに対する感覚が鈍いと聞いたことがあります。

ただでさえ感覚が鈍く、何年も前から関節の組織に負担をかけていたことで生じた痛みを、痛みが出てからも放置したままにするのはどうかと思います(^^;

 

 

肩の痛みや可動域制限にも、様々な病態や症状・障害があります。

インピンジメント症候群などは関節の動きを良くすれば改善しますし、石灰沈着なども注射とリハで早めに治るケースもあります。

どんな状態であっても自己判断せず、早めに受診することをお勧めします(^^)

早めに改善できるものを放置したことで、改善に時間を要し、医療費がかさむこともあります。医療費削減のためにも、1度専門家に相談してみて下さい(^^)

 

 

それでは、今回はこの辺で。_(._.)_