理学療法士 恩田誠(トレーナーチームEsperanza)の治療日記

整形外科勤務の理学療法士、恩田誠(トレーナーチームEsperanza)の日々の評価や治療を日記として書いていきます。あくまで個人的な見解や治療結果ですが、誰かしらのプラスになれれば!という思いで細々と書き続けていこうと思います。

上を向くと首の上の方が痛い

三郷市の整形外科に勤務する理学療法士の恩田誠です(^^)

 

今回は「上を向くと首の上の方が痛い」という患者さんが来たのでまとめてみました。

 

上を向くと痛いと言っても場所や動き方によっても原因は違います。

今回はこの辺が痛いとの訴えがありました。

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首の動きで痛みが出たときに姿勢を正したり、肩甲骨の位置を少し変えたりすると痛みが減ることもあるんですが、今回の患者さんはそれでは痛みが引きませんでした。(>_<)

 

なので、詳しく首回りの状態を診てみると胸鎖乳突筋という筋肉に3ヵ所、圧痛(押したときの痛み)がありました。


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この3つの圧痛点…今回はそれぞれ別の影響で痛みを出していました(^^;

まずは鎖骨に近い箇所。深呼吸をしてもらったときに、どうも鎖骨や胸骨といった場所がうまく動いてこなかったので、関連する腹直筋の上の方をリリースしてみました。


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そうすると呼吸時の鎖骨や胸骨の動きが出てきて、胸鎖乳突筋の鎖骨に近い部分の圧痛もなくなりました(^^)

 

次に耳に近い上の部分。

ここは直接、圧痛点のある場所にアプローチをしてみましたが良い反応が出なかったので、物を噛むときに使うアゴの筋肉と後頭筋という筋肉の近くにアプローチしたら改善しました(^^)

 
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最後に胸鎖乳突筋の真ん中辺り。通常、上下の部分のアプローチである程度硬さが取れてくるのですが今回はそれが残っている状態でした(´Д`)

そこで広頚筋という首の前側の表面に付いている筋肉にアプローチを少し行っただけで改善が見られました(^^)

 
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これで3ヶ所の圧痛点は無くなり、上を向く動きもかなり良くなったのですが、長期的に上述したような状態だったので治療後にもわずかにC2/3間(頸椎の2~3番目の間)に可動域の制限が存在し、違和感が残ってしまいました(´Д`)その後、首の関節自体にアプローチをして改善しましたが…。

 

今回の患者さんは仕事で重いものを持つことが多く、歯の食いしばりが強いことを以前に歯医者でも指摘されていたようです。また普段の姿勢(Head Forward:頭部前方偏位)も関係していました。

首の痛みと言ってもいろいろな部分が関連してくるので参考にしてもらえたら幸いです(^^)

それでは、今回はこの辺で_(._.)_

 

※写真は全てクリニカルマッサージという本から引用。