理学療法士 恩田誠(トレーナーチームEsperanza)の治療日記

整形外科勤務の理学療法士、恩田誠(トレーナーチームEsperanza)の日々の評価や治療を日記として書いていきます。あくまで個人的な見解や治療結果ですが、誰かしらのプラスになれれば!という思いで細々と書き続けていこうと思います。

股関節を曲げるとつまる感じがする。

三郷市の整形外科に勤務する理学療法士の恩田誠です。

 

股関節を曲げる時(膝を胸につけるように脚を抱える時)に股関節の前側につまるような感覚がある場合は何かしらの影響で股関節の動きに制限がかかっている場合が多いです。

 

この、つまる感覚がどの状態の時になるのか…?

仰向けの時に脚を抱えてもつまる感じがするのか?脚を踏み出して体重をかけた時につまる感じがするのか?座って脚を挙げようとした時につまる感じがするのか?などなど。

 

状況に応じて、関連する原因が変わってきます。そのため実際に股関節のつまり感を感じる方は、どの状況でつまり感が出現するのかを確認した上で、専門家の方に相談すると改善が早くなるケースがあります(^^)

 

ちなみに先程挙げた条件に対して一例をあげるとすれば、

  • 仰向けの時に脚を抱えてもつまる感じがする。

⇒体重が掛かっておらず、背骨などの動きも出づらい状態のため、股関節自体に原因がある可能性が大きい。

 

  • 脚を踏み出して体重をかけた時につまる感じがする。

⇒体重をかけているので、足首などの影響を受けてる可能性もある。また骨盤の位置や背骨の状態も考慮しないといけない。

 

  • 座って脚を挙げようとした時につまる感じがする。

⇒脚を挙げるときに骨盤や体幹部の安定性がない。座っている時の重心の移動なども影響する。例えば、右脚を挙げたいのに右のお尻に重心が掛かっていると脚が挙げづらくなる。

 

 

あくまでこれは一例ですが、原因が異なるなら治療の方法も変わってきますので、どの時に痛みが出るのかはかなり重要です!

風邪やインフルエンザの症状で病院に行ったのに血圧を下げる降圧剤を処方されたら、もうどうして良いかわかりませんよね?笑…それと同じ感覚で捉えてもらえると良いと思います(^^)

 

ちなみに仰向けで脚を抱える時に足首に力が入っていたり、足首を90°付近で固定した状態でも条件が変わってくるので注意が必要です。

 

 

【股関節のつまり感が出やすい状態の一例】

今回は股関節自体に問題があり、かつ筋肉自体の問題で制限を出しているものを幾つか紹介します。

 

  • お尻の筋肉が硬い。単純な柔軟性の低下もあり得る。

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  • 太ももの前の筋肉が過剰に力が入る。

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股関節単独で働く時と比べて、股関節を動かす軸がブレやすい。

 

  • もも裏の筋肉の付け根が硬い。

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大腿骨頭という太ももの骨の付け根を前に押し出してしまう。

 

  • 太ももの内側の筋肉が硬い、曲げたときに過度に力が入る。

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太ももの骨を内側に引き付けすぎてしまい、曲げる動きの中で早い段階で股関節の前内側にかかる圧力が強くなってしまう。

 

  • 縫工筋という筋肉の滑走が悪い。

これは以前にブログで書いたので、そちらを参考にしてみてください。↓↓↓

腰の痛みは股関節が原因!? - 理学療法士 恩田誠(トレーナーチームEsperanza)の治療日記

 

  • 腸脛靭帯の滑走性が悪い。

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これは説明すると長くなるので別の機会でまとめたいと思います(^^;

 

 

 

などなど。

股関節周囲の筋肉だけでも、ざっと挙げるとこれぐらいは出てくるので、どれだけ最も影響の大きい原因に早く辿り着けるかが重要になると思います。

 

これは治療者側だけの話ではなく、患者さん自身も自分が「何をすると痛みがでるのか?」「どの動きに不安があるのか」など、ちゃんと自分の状態を伝える努力は必要だと思います。

難しいかもしれないですが、自分自身の身体を他者が100%理解するのは無理ですからね(^^;自分自身の身体と向き合うことで解決策も出やすくなることがあると思います!

 

それでは今回はこの辺で。_(._.)_