長く歩くと股関節の付け根が痛くなる。
長く歩くと右股関節の付け根(前面)が痛くなる患者さんを診る機会があったのでまとめてみました。
股関節の付け根の痛みと言っても様々な部分が影響してくるので、今回もそういう人もいるんだろうな~という視点で読んでもらえればと思います(^^)
今回の患者さんは長時間の歩行で痛みがある以外は股関節を動かした時の痛みも、短い距離での歩行も痛みがありませんでした。
歩き方の特徴は右脚に体重がもっともかかる位置で骨盤(お尻)が右側にブレやすいことです。左も多少横にブレますが、右の方が強い印象でした。
このような特徴の歩き方の場合、教科書上ではよく中殿筋というお尻の筋肉の筋力低下が問題と書かれていることもあります。
しかし、今回は中殿筋自体に筋力低下はありませんでした。上に書いたように股関節の動作時痛もなく、著明な可動域制限もありません。
立っている姿勢で少し右の股関節が内旋(太ももの骨が内側に捻られた状態)しているぐらいでした。
1回目の治療で股関節の位置を調整するため、大腿筋膜張筋の硬さをとり、腸脛靭帯の滑走性改善を図り、立っている状態での股関節の位置は改善できました。
しかし、3回目の治療開始前の問診で『ちょっと良くなった感じはするけど、まだ長く歩くと痛みが出る』とのことでした。
何か見落としていることがあるはず。。と再評価したところ、骨盤の下制方向の動きに制限がありました。
この骨盤の動きが出ないことで、歩行で右脚に体重が乗ったときにうまく股関節外側の筋肉に力が入りきらず、股関節の前面(鼠径部)に負担をかけてしまっていたようです。
そのため、骨盤の下制の動きを出す運動を行いました。
仰向けで寝て、脚を浮かさずに交互に下方へ伸ばしてもらうだけ。骨盤(下図の丸部分)から動かすイメージで。うまく動かせない場合、膝が過度に曲がってしまうので要注意です(^^)
この運動を数回行ったところ、歩き方も改善しました。また、すでに治療後3週間が経過していますが、長時間歩いた時の痛みは出ませんでした(^^)
改善したのは良かったことですが、3回目の治療でなく、もっと早い段階で気付いていればすぐに変化が出せる状態だっただけに、自分の力不足を実感しました(>_<)反省ですね。
まだまだ伸びしろがあるとポジティブに考えて今後も頑張っていきます。
それでは今回はこの辺で(^^)